ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は7月4日、トルコ初の原子力発電所として建設を請け負ったアックユ発電所(120万kW級のロシア型PWR×4基)で勤務する人材の教育訓練を同社の技術アカデミーで開始したと発表した。
 ロスアトム社は同発電所1号機の建設工事を2018年4月から本格的に開始しており運転開始は2023年を予定。同発電所のための人材育成サービスは、建設プロジェクトの一環として提供しているもので、トルコ共和国の建国100周年にあたるこの年までに、合計1,300人の専門家を育成する計画である。
 同発電所では今年の夏から秋にかけて、2号機の本格着工が計画されており、同社は現在、トルコの規制当局から建設許可が下りるのを待っている。2号機が着工した後は3号機の建設許可を2020年第1四半期に取得する計画で、この頃までに4号機の建設許可申請を行うことになる。

 ロスアトム社の技術アカデミーでは、理論を学ぶための原子力発電所訓練プログラムが6つ組まれており、今後6か月以内に初回分のトルコ人原子力科学者70余名が、ロシアのオブニンスクにある国立原子力研究大学(MEPhI)でプログラムを受講する。このほか、民間原子力発電公社のロスエネルゴアトム社が操業するレニングラードとカリーニンの両原子力発電所で、インターンシップ研修を受けるとしている。
 また、MEPhIの系列であるオブニンスク原子力工科大学を卒業したトルコ人専門家も、一部はアックユ発電所で勤務する。同発電所における人材の受け入れ・訓練の実施要件として、これらの若手専門家は精神生理学的試験と知識レベルの審査を受けているところ。初回分の訓練プログラムは今年末まで継続され、終了時には試験が行われるとしている。

(参照資料:ロスアトム社(ロシア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)