ロシアは北極圏など人口が極端に少ない地域に電力を供給するため、水上を自由に移動できる原子力発電施設を開発し、海外のメディアに公開しました。

この原子力発電施設を開発したのはロシア国営の原子力企業「ロスアトム」で、18日、北極圏の町ムルマンスクで海外のメディアに公開しました。

船のような形をした原子力発電施設は全長144メートル、幅30メートルで、タグボートにつなげて海上を自由に移動することができます。

北極圏や極東など人口が極端に少ない地域に電力を供給するのが目的とされ、搭載する基の原子炉の最大出力は万キロワットと小型の火力発電所に相当する発電能力を持ち、10万人以上に電力を供給できるということです。

ロシアの科学者の名前をとってアカデミック・ロモノソフ号と名付けられた施設にはすでに核燃料が装填そうてんされ、この夏、北極海航路を東に向かい、年内にも北極海を臨むチュコト自治管区のペベクという町で営業運転を始める予定だということです。

この施設を巡っては国際的な環境保護団体から津波などの災害やテロを懸念する声が出ていますが、安全責任者は「設計上、核燃料のメルトダウンや原子炉や格納容器の溶解といった緊急事態は起こりえない」と安全性を強調しています。