株式会社ルスアトムヘルスケア(ロスアトムの部門)とスタヴロポリ地方政府は2022615日、サンクトペテルブルクで覚書の同意書に臨んだ。この同意書は、第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの一環で締結された。

署名された文書は、腫瘍学の分野で専門的な医療を提供する核医学センターをスタヴロポリ地方に設立する両者の意図を正式に示すものである。

ロスアトムによる医療センターネットワーク構築プロジェクトは、国家プロジェクト「健康保護」の目標に合致し、ロシア国内地域住民にとって必要な腫瘍治療の提供のアクセス性、適時性、質の向上を可能にするものである。このセンターは、スタヴロポ地方の住民や近隣地域の患者向けに年間2000件以上の医療サービスを提供する予定。着工予定日は2023年。現在、ルサトム・ヘルスケアは、リペツク州やバシコルトスタン共和国でも同様のプロジェクトの実施で成功を収めている。

株式会社ルスアトムヘルスケアのイゴール・オブルーボフCEO(最高経営責任者)は、「弊社の優先課題は、ロシア国民の平均寿命を延ばし、生活の質を向上させるための国家のパートナーになることです。ロシア国内地域に核医学センターを建設するプロジェクトは、ハイテクな治療用原子を国民がより身近に感じられるようにするための重要なステップとなるものです。このセンターでは、患者さんはあらゆる種類の治療や診断サービスを受けることができます。スタヴロポ地方の腫瘍学サービスと地域医療システムの高い機能性のおかげで、このセンターは国内でも有数のものとなるでしょう。また、核医学センターのネットワークを効果的に機能させるための人材育成にも真剣に取り組んでおり、運営地域における医療従事者向けの訓練プログラムも実施する予定です」と述べた。

ウラジーミル・ウラジーミロフ・スタブロポリ地方知事は、「スタヴロポリ地方は、国家医療プロジェクトや関連する連邦プログラムの実施に積極的に参加しています。一方では、プライマリーケアシステムの物的・技術的基盤の強化という問題を解決しています。他方では、専門的な医療を強化しています。これには、がん患者さんも含まれます。今年、この地域に25の医療施設が建設される予定です。エッセンツキに外来がん治療センターを開設します。そして2024年には、現在建設中の地域腫瘍学診療所の新棟が、ロシア南部と北コーカサス地方で最大級かつ最先端の施設となるように、試運転を行う予定です。ロスアトムのような、科学的にも製造的にも高いポテンシャルを持つロシアの大企業が、この仕事のパートナーになってくれることが重要なのです。我々としては、国民の健康を守るために、この地域の新しい医療センタープロジェクトをできるだけ早く全面的に支援するつもりです」と述べた。

参考

歴史的に核医学技術を開発してきたロスアトム国営公社は、ヘルスケアにおいて独自の患者様志向のエコシステムを構築し、質の高い医療サービス全般を国民に提供することを目指している。同社は、がんの診断や治療に使用される同位体原料製品の仕入先として、世界上位5位にランクインしている企業である。ルサトム・ヘルスケア部門は、放射線・小線源療法用の医療機器メーカーで、ロシアのいくつかの地域で核医学センター建設プロジェクトを実施しており、医療機器の治療・滅菌用の多機能センターのネットワークを構築している。