ロシアのウクライナ侵攻を糾弾する国連決議案に賛成したフィリピンだが、軍用ヘリコプターの購入や原発の協力は引き続き推進することが明らかになった。

10日、AP通信によると、デルフィン・ロレンザーナ=フィリピン国防長官はロシアから輸送用軍用ヘリコプター17機を購入する契約を履行すると前日に語った。

フィリピンは昨年11月、ロシアと127億ペソ(約300億円)相当のMi-17ヘリコプター購買契約を締結した後、今年1月に前金を支払った。

同長官は「現時点でヘリコプター購入契約を撤回する可能性はない」と明らかにした。

またロシアのウクライナ侵攻がヘリコプターの購入に及ぼす影響を尋ねる質問に対しては「時間が答えてくれるだろう」とし契約履行意志を曲げなかった。

これによりフィリピンには来る2024年上半期までロシア産ヘリコプターの初期物量が引き渡されると予想されるとAP通信は伝えた。

先にフィリピンはロシアのウクライナ侵攻を糾弾し、即座に撤退を要求する内容の国連決議案に賛成している一方で、ドゥテルテ・フィリピン大統領は今回の事態と関連して中立を維持するとの立場を明らかにしている。

フィリピン政府はロシアとの原子力発電協力についても継続する構えだ。マニラ・ブレティン紙(6日)によると、フィリピンエネルギー省(DOE)はロシア国営原発企業であるロスアトムと結んで協定が現在も有効だと述べている。

エネルギー省のゲラルド・エルギザ・ジュニア次官は、「フィリピンでの原子力インフラ建設に関する協力であるため、その関連でロシアと実際に問題があるとは考えていない」と主張した。

一方でフィリピンは韓国水力原子力発電(KHNP)とも協力関係を結んでいる。今回のウクライナイ事態により、韓国がフィリピンの原子力事業を独占するとの予想も業界では浮上していたが、その予想は外れたようだ。