トルコでアックユ原子力発電所(120kWのロシア型PWRVVER×4基)の建設工事を請け負っているロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は1118日、トルコの規制当局が13日付で同社のトルコ子会社であるアックユ原子力発電会社(ANPP)に3号機の建設許可を発給したと発表した。

ANPP社は20193月、原子力規制庁(NDK)に同許可の申請書を提出していた。発給が決定したことで、同炉では原子炉建屋など安全性に関わる部分の作業も含め、関係施設すべての建設工事が可能になった。これまでANPP社は、今年7月に取得した部分的建設許可(LWP)の下、原子炉建屋やタービン建屋のベースマット下部に敷くコンクリート・パッドの作業等を実施。NDK3号機の建設許可審査を進めるなかで、質問その他の追加要請を同社に行ったが、同社はこれに応えつつ膨大な量の準備作業を行っていた。

トルコ初の原子力発電プラントとなる同発電所では、第3世代+(プラス)のVVER4基建設する計画。現在、12号機の本格的な建設工事が、それぞれ20184月と20194月から行われている。1号機については今年10月、4台の蒸気発生器が現地に到着したのに続き、今月10日には、ロシアのアトムエネルゴマシ(AEM)社(AEMテクノロジー社のボルゴドンスク支部)が約3年かけて製造した原子炉圧力容器(RPV)が到着した。2号機については、今年6月に原子炉建屋のベースマットが完成したほか、8月にはコア・キャッチャーが到着している。

これまでに、13号機すべてで環境影響評価報告書の承認や発電許可、建設許可といった主要認可が発給され、4号機についてもANPP社が今年5月に建設許可申請書をNDKに提出した。トルコ・エネルギー・天然資源省(ETKB)F.ドンメズ大臣は、トルコが建国100周年を迎える2023年に1号機が運転開始することを希望しており、2号機に関しても同年中に起動させたい考えである。

(参照資料:ロスアトム社の発表資料①、②、原産新聞・海外ニュース、ほか)