先月末よりグラスゴーで開催されたCOP26。メタン排出を除き、ほとんどの結果はロシアのネットゼロ計画と合致していると特使は述べました。ロシアは、特に森林利用や炭化水素の分野で、二酸化炭素削減に向け積極的に行動しています。

メタンの最大排出国・ロシア

メタン削減には同意せず、しかし森林利用と水素ガス利用には積極的

先月末グラスゴーで開催されたCOP26で、温室効果ガスの内訳を二酸化炭素に次いで占めているメタンの排出量削減に関する国際的枠組みが発足しました。しかしロシアは、自国にあまりに大きな負担を強いることになるとしてこのメタン削減誓約への参加を拒否しました。

モスクワでの講演において気候問題担当ロシア大統領特使・エデルゲリエフ氏は、メタン排出量の削減計画について、先日発表された2060年までにネットゼロに向けての対策が政府によって起草・承認された後ロシアが独自に決定すると述べています。

国際エネルギー機関(IEA)によると、2020年の世界のメタン漏洩量の約20%(約14,000トン相当)をロシアが占めており、米国、イラン、トルクメニスタンがこれに続いています。

メタン削減には同意せず、しかし森林利用と水素ガス利用には積極的

メタンの誓約には合意しなかったものの、ロシア当局は、COP26で可決された他の誓約は同国のネットゼロ計画にとっておおむね好ましいものであると考えています。

エデルゲリエフ氏は、ロシアは森林をこの目標達成のための重要な要素とみなして守ってきており、2030年までにすべての森林破壊を無くすために行動していると述べました。

ロシアは早ければ2026年までにネットゼロを達成するという目標を掲げ森林の二酸化炭素吸収能力に関する実験を実施していますが、その中心地を担うのは、ロシアの極東に位置するサハリン島です。

サハリン島では、すでにいくつかの二酸化炭素削減戦略が発表されています。実際に、ロシアの国営原子力企業であるロスアトムは、フランスのエア・リキード社がサハリン島に水素施設を建設するための実行可能性調査を完了するのを待っている段階です。この調査結果は、来年初めに発表される予定です。

ロスアトム社の子会社であるロスアトム Overseas社の入札開示通知によると、このプロジェクトではCO2回収・貯蔵が検討されており、またアンモニア製造、ガス状水素の海上輸出港への輸送、液化などの施策も盛り込まれているようです。